外国で離婚する場合には、その国の方法に従ってですが、日本で離婚する場合は、①協議離婚②裁判による離婚
があります。しかし、国際結婚の場合は、離婚に、どの国の法律が適用されるか によります。
国際私法の法例第十六条 は、離婚の準拠法を
A.夫婦の本国法が同一であるときは その法律
B.その法律がない場合、夫婦の常居所地法 が同一であるならその法律
C.そのいずれもない場合は、夫婦にもっとも密接な関係がある地の法律
とさだめており、夫婦の一方が日本に常居所を有するときは、日本の法律によります。
常居所とは、人が相当長期間にわたって常時居住する場所で、実務上は、住民登録をしている場所 ということになります。
協議離婚の場合、離婚届に必要事項を記入し、ふたり以上の証人の署名・押印を得て、住民票添付の上本籍地のある市区町村に届を提出すれば、日本では、有効な離婚があったものとしますが、配偶者の本国で、日本での協議離婚を有効と認めるかどうかは、その国によります。事前に確認する必要があります。
次に、裁判による離婚は、まず、家庭裁判所に調停の申し立てをする必要があります。調停が成立すると離婚がされますが、この場合、戸籍にも、調停調書による離婚である旨記載されます。調停が成立しないときは、地方裁判所に離婚の訴えを提起します。
☆慰謝料や財産分与について
日本での国際私法上の取り扱いは、離婚給付は結婚生活が日本で行われており、離婚原因となる事実が日本で発生した場合、不法行為地法として日本法が適用される という見方がありますが、これに対して、離婚給付は、離婚の効果なのだから、「離婚」に適用した法律によって規律される という説もあります。わかりやすくいうと、夫婦の共通常居所が日本・・・日本の法律適用 在日韓国人夫婦の離婚のように共通本国法がある・・韓国法が優先
前述のように、慰謝料請求や財産分与も家庭裁判所に調停を申し立てるのですが、国際私法上外国法により離婚給付を行う場合にも、その内容を考慮して手続きされます。
☆姓を戻したい場合
結婚により、外国人の配偶者の称している氏に変更する届出をして、その氏を称していた場合、離婚によって当然に氏が変わるわけではありません。 離婚の日から3ヶ月以内であれば、戸籍役場に、変更前の氏に変更するという届出をすることにより、従前の氏を称することができます。3ヶ月をすぎると家庭裁判所の許可がいります。子供など、あなたの戸籍に同籍するものがいない場合は、現在の戸籍の外国人姓を朱抹し、その右に従前の氏を記載することになります。
子供がいた場合は、あなたについて、新戸籍が編成されます。そして子供については「同籍する旨の入籍届」によって、子供が、あなたの新戸籍に入籍でき、子供も従前の氏を称することができます。
☆離婚により国籍は?
日本の国籍に関しては、離婚や氏の変更により、なんらの変更も受けません。外国国籍については、その国の国籍法によりますが、結婚によって配偶者の国の国籍を取得したときは、離婚によって喪失する場合が多いです。